ラップストーン

アンカー部材付きの自然石を積み上げる、練積み同等の壁体強度を有する「アンカー式空石積」です。

許可

  • 建設技術審査証明 第0508号
  • 旧NETIS KT-990510-V
  • NNTD 0163

工法選定

  • 美しい山河を守る災害復旧基本方針』 石系 ― 自然石(空) ― アンカー式空石積
  • 災害復旧工事の設計要領赤本)の共通工に「アンカー式空石積工」として施工歩掛が掲載されています。
  • 総合単価の工種・種別では、「石積工・連結石積」に該当します。
  • 実施工法事例集(H19年)の工法選定集にも掲載されています。

適用目安・選定要素

対応流速 適用勾配 日当り施工量 日当り製作量 景観 生物の生息環境 空隙 植生
~8m/s 1:0.3~1.0 約30m²/日(500型の場合) 約38m²/日(現場製作)

特長

  • 普通作業員にて施工可能。
  • アンカー効果により練積み同等の強度を持った構造体を構築します。※建設技術審査証明報告による評価を頂いています。
  • 現地発生石材の有効活用も可能です。
  • 空積みであるため生コンの搬入が困難な場所には極めて有利です。
  • 周辺の景観に調和します。
  • 自然石間の多孔質な構造により生態系保全に有効です。ホタル護岸として実績があります。
  • 空構造で透水性に優れることから、残留水圧による影響がなく、水抜きパイプの必要がありません。

製品単体

製品単体

規格

基準数量:約12個/m²
規格 形状(mm) 裏込材量(割栗石量)
500型 自然石Φ300内外 割栗石
アンカー長 l=500 0.548m³/m²
パネル□150 (1:0.5勾配)
800型 自然石Φ300内外 割栗石
アンカー長 l=800 0.816m³/m²
パネル□150 (1:0.5勾配)

標準断面図

ラップストーン断面図

仕様

単体図

玉石単体図
  
※強酸性河川や汽水域河川などに対応した高耐久仕様もございます。
名称 材質 仕様
自然石 玉石・角とり石・割石 Φ300mm内外(200~400mm)圧縮強度30N/mm²
特殊ボンド 特殊接着剤
ストッパーパネル ABS樹脂 T=6mm,□150×150mm
アンカー材 亜鉛アルミ合金メッキ鉄線(300g/m²,アルミニウム10%含む) 線径:6mm,l=500または800mm

施工方法

施工方法1
1.基礎コンクリートを打設し、吸出し防止剤を敷設します。
施工方法2
2.アンカー材の吊上げ部を利用して、クレーン等で仮置きします。
施工方法3
3.丁張り等に合わせて、微調整を行いながら積上げます。
施工方法4
4.石は「かさね石」の状態にならないよう、適度な空隙を保持する「多孔積」に積上げます。
施工方法5
5.割栗石を投入して、均一にならします。(2~5を繰り返す)割栗石は粒径Φ50~150mmを厳守ください。
施工方法6
6.天端コンクリートを打設して完成します。

日当たり施工量の比較

  • コンクリートブロック積工
  • (間知・ブロック質量150kg/個未満)
  • 11m²/日
  • ※「土木施工単価2018・春」 P433より

  • ラップストーン(500型の場合)
  • 約30m²/日

3倍近い施工性の改善となります

安定メカニズム

  1. 構造と理論
  2. 単体構造は、自然石またはブロックの背面にアンカー材を固着し、その端部にストッパーパネル(支圧板)を装着させた形状です。擁壁構造は、前面材とストッパーパネルの間に裏込材の割栗石(Φ50~150)を充填した構造で、支圧効果により製品と裏込材が一体化します。

    単体構造理論
  3. 構造全体の安定
  4. アンカー式空積工法の構造全体の安定検討には、内的・外的に対する安全性の検討を行います。

    1. 内的安定の検討
    2. 擁壁における内部応力を算定し、使用部材の設計強度を検討します。

    3. 外的安定の検討
    4. 前面の自然石から裏込材までを一体化した擁壁構造とし、「転倒」・「滑動」・「地盤支持力」の検討を行います。

      単体断面構造
    5. 直高の目安
    6. 土質条件や検討断面等により適用条件が変化しますので、直高の目安は500型で3.5m程度、800型で5.0m程度ですが、また、アンカー長を延ばすことにより直高8.0mまで積むことも可能です。その都度当社にて最適断面をご提案致します。※安定計算等詳細については各営業所にお問い合わせ下さい。